相撲入門 伝統文化

四股

相撲という言葉が歴史上初めて登場するのは西暦5世紀のことです。「日本書紀」には雄略天皇が2人の采女に褌を付けて取り組みを行わせたとあります。

一方力士という概念が登場するのはさらに古い時代です。古墳時代の埴輪や須恵器にも取り組みの様子が描かれていますが、「古事記」には日本神話として出雲のタケミナカタがタケミカヅチを掴んで投げようとした描写があります。タケミカヅチは手を氷柱に変え、さらに剣へと変化させたためにタケミナカタは掴むことができませんでした。一方タケミカヅチはタケミナカタの手を握りつぶしたため勝負にならなかったとあります。このタケミナカタとタケミカヅチの神代における争いが相撲の起源であると言われています。さらに「日本書紀」には紀元前23年における人間の力士同士の取り組みに関する記述があります。

入門者がまず知る必要があるのは、相撲には競技としてだけではなく伝統文化としての側面があるという点です。日本では非常に古い時代から相撲が行われおり、現在でも各地の神社では子孫繁栄や五穀豊穣の願いを込めて試合が神に奉納されています。力士はスポーツの競技者としての側面だけでなく、伝統文化の担い手という側面も有しています。