相撲の入門者が大半の期間を過ごす両国
相撲の入門者にとっては、国技館がある両国は登竜門となる場所です。最初に国技館が落成したのは1909年のことで、ドーム型の屋根が特徴でした。現在の国技館は昭和末期に作られたもので、今も相撲界に入門する力士たちにとっての象徴になっています。
年3回の予定で東京場所が開かれるため、新米の力士が大半の期間を過ごす場所になります。角界に入るためには、最初には相撲部屋に入ることが肝心で、親方から認められた段階で次のステップに移ります。東京場所の直前にデビューする場合には、国技館で新弟子検査を受けて、合格した段階で正式に入門することになります。
年3回の東京場所が開かれることもあって、多くの相撲部屋は両国から近い場所に立地しています。各部屋の親方も入門したばかりの力士のことを考えて、移動時間を短縮することに努めてきました。当然ながら、墨田区の全体で見ても多くの部屋が立地していますが、この地域に部屋を開くことは簡単ではありません。
両国は隅田川沿いに広がる地域で、もともとは下町として知られていましたが、最近では都市化が顕著になりました。稽古場では大音量を発生させるため、大都市の住宅密集地に相撲部屋を開くためには、地域住民の理解を得ることも重要です。